REPORT
2025/03/26

地域のモノづくりのはじめ方 - 地場産業の現場をめぐり、素材を探る。-
【Day1イベントレポート】

長野県木曽地域を舞台に、地域の森林資源から新しい「木のモノ(プロダクト)」を生み出す「木曽の木のモノ プロジェクト」。全6回の講座を通して、木工事業者のみなさんと木曽地域の学生や町民が、地域の木材を生かしたモノづくりを学びアイディアを出し合いながら商品開発を進めていきます。
 

初回ゲストは、リノベーションスクールの講師も務めるStudio Tokyo West代表の瀬川翠さん。瀬川さんとともに木曽地域にある工房や地場産業の現場を回りながら、木材の持つ価値や事業者さんの課題感に触れました。
 

INDEX

  • 地域や木材の持つ「ポテンシャル」を探しに
  • ないものを探さずに、いいところを見つけ出す

地域や木材の持つ「ポテンシャル」を探しに

20年に一度、伊勢神宮の「式年遷宮」に伴い御神木が切り出される上松町。木曽ひのきの里とも言われるここ上松町が、第1回木曽の木のモノプロジェクトの舞台です。残暑が厳しい9月末、15名の参加者が集い、町を巡りました。
 

最初に訪れたのは、製材業を営む「のむら木材株式会社」。バスを降り、道を歩いていると徐に横たわる巨木が現れ、圧倒的な存在感に目を奪われました。横たわっていた木は、樹齢350年の木曽檜。
 

木曽は標高が高く寒さが厳しい地域。木曽檜の成長は、他地域と比べ3倍の時間がかかるといわれています。寒さに耐え忍び育った木曽檜の年輪は、目が詰まり耐久性や強度に優れた木材として、良質な建築用材として日本各地で使われてきました。

木曽を代表する木材が、この地の森林資源の貴重さを教えてくれます。
 


次に向かったのは、地域木材を加工して製品を生み出している「木下商店製箸所」の工房。木下商店製箸所は、木曽檜をはじめとした木材の端材や間伐材を使い箸の製作をされています。

木曽のお土産品としても馴染みのある木曽ひのきの四角形の箸から、五角形・六角形など多様な形の箸を生産しており、その数は3日で10,000膳にもなるそうです。


創業以来、箸一筋で製造を続けてきたという木下商店製箸所。木材を余すところなく使いたいという想いから、製品にならなかった箸の端材や箸の製造過程ででる木屑なども活用できないかと試行錯誤しているというお話を聞かせてもらいました。
 


ないものを探さずに、いいところを見つけ出す

みんなでお昼ごはんを食べて参加者同士仲良くなってきたところで、いよいよゲストの瀬川さんの講話へ。

住宅や店舗の設計・リノベーションから、イベントや結婚式の空間のデザイン、まちづくりまで幅広い事業を手掛ける「株式会社Studio Tokyo West」 の瀬川翠さん。

大学在学中に、自ら一軒家を改修しシェアハウスの運営を開始。それからシェアハウス住人の起業支援をしたり、結婚式のサポート事業をしたりと数珠繋ぎのように事業スタートさせています。
 

地域事業者・学生・町民が一緒になり、商品の素になる素材を探ります。

事業の最初にあるのは、身近にいる”誰か”の想いを応援したいという、誰しもが一度は思ったことがあるであろう素朴な想いだったそう。

そんな想いを見失うことなく、事業へと成長させてきた瀬川さんの「ないものを探さずに、いいところを見つけ出す」というアドバイスを胸に、いよいよ参加者みんなで最後のワークに。

木曽の木材と向き合い、その材や土地の”いいところ”を見つけ出すところから、商品開発が始まりました。


木曽の木のモノプロジェクトは長野県令和6年度県民参加型事業です。

conomichiでは

【conomichi(コノミチ)】は、
「co(「共に」を意味する接頭辞)」と「michi(未知・道)」を組み合わせた造語です。

訪れる人と地域が未知なる道を一緒に歩んで元気になっていく、「この道」の先の未知なる価値を共に創り地域に新たな人や想いを運ぶ、そんな姿から名付けました。

今まで知らなかった場所へ出かけて、その地域の風土や歴史・文化にふれ、その地域の人々と共に何かを生み出すこと。そこには好奇心を満たしてくれる体験があふれています。

地域で頑張るプレイヤーの、一風変わったコンテンツの数々。
まずは気軽に参加してみませんか?

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