REPORT
2025/03/26

素材のチカラをみつける、ゼロイチでない商品開発【vol.02イベントレポート】

長野県木曽地域を舞台に、地域の森林資源から新しい「木のモノ(プロダクト)」を生み出す「木曽の木のモノ プロジェクト」。全6回の講座を通して、木工事業者のみなさんと、木曽地域の学生や市民がともに、地域の木材を生かしたモノづくりを学び、アイディアを出し合いながら商品開発を進めていきます。

第2回ゲストは、元良品計画のデザイナーで、愛知県常滑市を拠点に活動するプロダクトデザイナーの高橋孝治さん。地域に軸足を置き商品開発を行う高橋さんから、アイディアの発想法について学びます。
 

REPORT

2025/03/25 更新

地域のモノづくりのはじめ方 - 地場産業の現場をめぐり、素材を探る。-
【Day1イベントレポート】

初回ゲストは、リノベーションスクールの講師も務めるStudio Tokyo West代表の瀬川翠さん。瀬川さんとともに木曽地域にある工房や地場産業の現場を回りながら、木材の持つ価値や事業者さんの課題感に触れました。

PROJECT

2025/03/25 更新

地域でモノづくりを学び実践する。
木曽の木のモノ プロジェクト

木曽の木のモノプロジェクトは、長野県木曽地域の事業者と森林・木工教育機関(木曽青峰高校・林業大学校・上松技術専門校)の学生のチームで学び、アイディアを出し合い新しい地域の木を使ったプロダクトを作り上げる実践スクール型プロジェクトです。


日常生活の中の観察からはじまる商品づくり

高橋さんは、日本六古窯の1つとしても知られる愛知県常滑市で、地元企業とのプロダクト開発や地元の福祉施設との協働などをしています。木材と木工品の産地である木曽、粘土層があり焼き物の産地である常滑。素材は違えど、地域の素材を生かしたモノづくりには学ぶことが沢山ありそうです。
 

高橋さんが、常滑で携わった急須や砥石などのプロダクトを見せてもらいます

まずは、商品開発の一連の流れを教えてもらいいます。その中でも印象的だったのが、高橋さんが商品開発をする上で大切にしているという、日常生活でのオブザベーション(観察)。人が普段何気なくやっていることから、生活者の潜在的なニーズを捉え、商品開発のヒントにしているそう。

このオブザベーションは、もちろん商品開発の過程でもするそうですが、それ以前、普段の生活の中でアンテナを張り巡らせておくことが大切だそう。気になった行為や気づきは、メモに残したり、写真に収めておきましょう。

「商品開発やデザインは、ゼロから何か生み出しているイチと思われるが、実は違う。もともと持っている素材のチカラがある」と高橋さん。


素材そのものが持っているチカラ、土地が持っている歴史、産地のインフラ、作り手や商品愛用者の存在など。素材の解像度をあげてみるとき、多様な視点が存在しています。素材が持っているチカラを信じ、商品づくりに反映させてい考え方を学びました。
 

何気ない行為を意識してみる

ワークが始まり、改めて「絆創膏を貼る」という一連の流れを注視してみると、今まで当たり前すぎて気づくことのなかった気づきが見えてきます。なんだか貼りにくそうだな、ここから貼り始めるのかといった小さな気づきや違和感。

それぞれ絆創膏を貼り終わった後、お互いに気になった点を出し合い、絆創膏の新しいアイディアを考えると、少しの時間でも、これまでになかった絆創膏アイディアが各チームから生まれてきました。実用性のあるものから、実用性はないけどちょっと欲しくなるものまで、さまざまに。

2人1組でのワーク。相手の行為を観察すると、意外な気づきが見つかります。

普段の生活の中から、視点を変えて物事を見ていると、私たちはもっと商品アイディアのヒントを得ることができるのかもしれないと、体験を通して学ばせてもらいました。


写真:池田昌弘
執筆:坂下佳奈

木曽の木のモノプロジェクトは長野県令和6年度県民参加型事業です。

conomichiでは

【conomichi(コノミチ)】は、
「co(「共に」を意味する接頭辞)」と「michi(未知・道)」を組み合わせた造語です。

訪れる人と地域が未知なる道を一緒に歩んで元気になっていく、「この道」の先の未知なる価値を共に創り地域に新たな人や想いを運ぶ、そんな姿から名付けました。

今まで知らなかった場所へ出かけて、その地域の風土や歴史・文化にふれ、その地域の人々と共に何かを生み出すこと。そこには好奇心を満たしてくれる体験があふれています。

地域で頑張るプレイヤーの、一風変わったコンテンツの数々。
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