REPORT
2024/05/23

【地域バイヤープログラム】事業者の想いにふれる、静岡県三島市での濃厚な二日間。

------------この記事は、地域バイヤープログラムの受講生が執筆した記事です------------

地域バイヤープログラムとは、地域と伴走しながら地元密着の商品を発掘し、首都圏の売り場にてお客さまに提供するまでの一連のバイヤーの流れを実践形式で取り組み、ひいては地方創生の新しいカタチを見出すような人材を育成するプログラムです。

第2回目となる今年のフィールドは、静岡県三島市、岐阜県高山市。
地域の事業者さんと会いに出向き、お話を伺うフィールドワークをそれぞれ2日間で行いました。

ここでは、静岡県三島市で行われた、事業者さんの熱意の伝わる濃厚な2日間をご紹介します。

フィールドワークにて三島の商店街を街歩きしている受講生のみなさん。これから行われるフィールドワークにワクワクしている様子です。

木材を継ぐようにヒトと街をつなぐ。根継商店

まず初めに、私たちがフィールドワークとして訪れたのは、三島駅近くの商店街、複合施設の1階にある、「根継商店」。こちらを運営する地元の建設会社、平成建設の牧田裕介さんに施設をご紹介していただきました。建設会社でありながら、大工も雇用して育成されているという、業界では珍しい取り組みをされています。


お店の「根継」という名前は、大工の新旧の材を強くつなぐ「継ぎ手」の一つから来ており、ヒト・モノ・コトをつなぎ、大工の知恵や工夫を、地域や次世代へと伝えていくという思いが込められています。

商店街に面した入り口から中に入ると、木の温もりを感じられる広々とした空間が広がります。木の良い香りと工具の音がします。ものづくりが好きな方には、一瞬にしてワクワクできそうなスペースです。スペースには、様々な要素がちりばめられており、デザイン・建築系の本のあるコーナー、大工さんの手による木工のプロダクトのお買い物から、本格的な木工作業まで楽しめます。

中でもユニークなのが入り口奥にある、「まちの作業場」。

社員の大工が常駐し、一般の方でも技術や工具の使い方のレクチャーが受けられ、本格的なDIYが楽しめます。週末にはお子様向けの木工ワークショップなども開催されます。

プロダクトは、大工さんたちの好奇心を元に作られるのだそう。特に気になったのが、木製の名刺。細かい木の造作で開け閉めするケースで、デザインも秀逸。こんな名刺で名刺交換をしたら、さぞかし気持ちいいだろうな、と思った作品でした。

「これがいい」とご指名買いしたくなるモノづくり。Floyd

続いて、加和太建設のオフィスルームに移動し、プロダクトレーベル「Floyd」を運営する株式会社パブリックデザインの藤沼祐介さんに自社製品をご紹介していただきました。

現在はお店を持たずに、小売店への卸売と、自社オンラインショップ、イベント出店などでプロダクトを流通させており、自社でデザインから日本各地の産地の職人を通したプロダクトづくり、実際に在庫を持って販売するまでの工程を担っています。

実際の商品を見せていただきましたが、どれも色・形が洗練されており、どことなくユーモアを感じさせ、思わず手にしたくなる商品が並んでいました。

-「自分たちの生み出すものは遊び心あるオリジナルで、どこにも無いものを作って売りたいのです。日々、お客さまに新たな価値を提供したいと願って行っています。『これでいい』ではなく、『これがいい』とご指名買いしてもらうイメージです。」-

代表の藤沼さんの柔らかな口調のなかにも熱意がこもっていたのが印象的でした。

プロダクトの中には、再現性の難易度が高く、職人さん泣かせのものも。チューリップグラスもその一つ。持ってみると花の香りがするような、手元が華やかになるグラスです。よくみるととても繊細なグラデーションで絵柄が作られていました。妥協をせず、職人さんと関係をつなぎながらものづくりをする、Floydさんの底力が感じられた瞬間でした。

みんなが「にっこり」。函南町のほとけスイーツ「あみにょん焼き」

続いて、三島市の隣にある函南町にて、丹那牛乳をはじめ、地域資源を活用した商品を作り出す6次産業化に取り組む、「酪農王国 オラッチェ」の伊藤嘉一さんから「あみにょん焼き」のご紹介がありました。

「あみにょん焼き」はなぜ生まれたかというと、丹那町、三島市、静岡県東部辺りのブランドである「丹那牛乳」の製造が危機的状況になってしまったことから始まっています。「丹那牛乳」という地域資源を守りたい、地域を活性化させて函南町のブランドをアップさせたいという思いから、函南町にある、地域のシンボル「かんなみ仏の里美術館」にある阿弥陀如来を象った「ほとけスイーツ」を完成させました。

「あみにょん焼き」の原料には、製造工程で廃棄されている「バターミルク」を利活用する、6次産業化にも取り組んでいます。自社で製造から販売まで行なっている初めての商品で、2023年から1店舗のみで限定販売を始め、地域の様々な方を巻き込んで製造しています。

「あみにょん焼き」には、丹那牛乳を次世代に残し、町を元気にしたいという思いが込められています。試食でいただいた「あみにょん焼き」からバターミルクのほのかに甘い香りがして優しい気持ちになりました。

このスイーツを食べることが函南町の応援につながり、地域活性の好循環が生まれれば良いな、と思いました。

「わさびが、食卓の主役になる。」老舗わさび屋、山本食品の斬新なアイディア。

フィールドワーク2日目は、まず、地元三島にて明治時代から創業されている「山本食品」の山本一樹さんのお話を伺いました。創業当時から伊豆天城産の「わさび」を商品として取り扱い、「伊豆わさびミュージアム」や、三嶋大社前にイートインもできるお土産屋を運営しています。わさびの栽培、歴史の普及から、新しいスタイルでわさびを楽しむ「わさびマヨネーズ」や、「わさびアヒージョ」などの商品開発も勢力的に行っています。

中でも面白いのが「鋼鮫」という、わさびおろし板。わさびを擦る表面の凹凸部分が全てひらがなの「わさび」に細かくエッチングされています。こちらで円を描きながらわさびを擦ると、とても風味良い香りと、ツーンと抜ける独特の食感がします。実際に、「鋼鮫」で擦ったわさびと、通常のおろし板で擦ったわさびの試食をさせてもらうと、驚くほど味が違いました。

三島にはわさびの風味をそのまま楽しむ「わさび丼」という食べ方があります。
作り方は至ってシンプル。あたたかいご飯の上にかつお節を乗せ、おろしたわさびをたっぷりのせて醤油をかけるだけです。

「わさびを、もっと、おもしろく」がモットーの山本食品。わさびに対する想いが集約された商品が「鋼鮫」なのだと分かりました。

地域とともにウィスキーを育てる。Whiskey&Co.の斬新な地域活性

フィールドワークの最後には、三島の街中にある醸造所『Distillery Water Dragon』を運営する「Whiskey&Co.」の鷲井美恵さんにお話を伺いました。こちらの会社は、「地域のコミュニティと共にウィスキーを作り上げていく」を理念に掲げて実行しており、敢えて日本にノウハウのあまりない「バーボンスタイルのウィスキー」を街中で醸造させることに挑戦しています。

醸造する一部の機械も三島の地元の金属加工会社にお願いし、また醸造する樽を地域の様々な箇所にお願いして置かせてもらっているそう。まさに地域を巻き込んでのウィスキー作りです。

Whiskey&Co.という社名には『唯一無二のプロダクトを仲間と共に創る』という想いが込められています。WEB3.0を活用した販売方法でウィスキーの商品が出来上がる前からファンを増やし、商品のファンになってもらった方には、もれなく三島のファンになってもらうような導線作りもされています。

On Springというオリジナルジンを飲ませてもらったのですが、飲む前から春風のようなとても良い香り。飲み心地もフレッシュな味わいで、まさにこれから始まる春の新生活にはぴったりなお酒でした。

三島市フィールドワークを終えて

様々な事業者の、それぞれの想いを丁寧に伺うことのできた、貴重な2日間。

一消費者として商品を見ていただけでは伺えないほどの情報量をいただけたことは、受講生とって何よりも貴重な時間になったかと思います。また、三島をはじめとする地域に根差す事業者の熱い思いも、感じ取ることができました。

現地フィールドワークを終え、受講生はこれからAKOMEYA TOKYOのNEWoMan新宿店にてポップアップショップの実践に挑んでいきます。いかに事業者の想いを伝えて、どうやってお客さまを喜ばせて、ゴールの購入につなげるのか。
これからフィールドワーク各チームのチャレンジが始まります。当日をお楽しみに。

「好奇心が踊る、伊豆&飛騨高山フェア by 地域バイヤー」

◉ 開催日時
2024年3月23-24日(土日)
3/23(土) 11:00 - 20:00
3/24(日) 11:00 - 18:30
※入場自由・無料なのでお好きな時間でお気軽にお越しください

◉場所
AKOMEYA TOKYO NEWoMan新宿
〒160-0022 東京都新宿区新宿4-1-6 NEWoMan新宿 1F
新宿駅新南口直結

詳細

施設名AKOMEYA TOKYO NEWoMan新宿

所在地〒160-0022 東京都新宿区新宿4-1-6 NEWoMan新宿 1F 新宿駅新南口直結

conomichiでは

【conomichi(コノミチ)】は、「co(「共に」を意味する接頭辞)」と「michi(未知・道)」を組み合わせた造語です。

訪れる人と地域が未知なる道を一緒に歩んで元気になっていく、「この道」の先の未知なる価値を共に創り地域に新たな人や想いを運ぶ、そんな姿から名付けました。

今まで知らなかった場所へ出かけて、その地域の風土や歴史・文化にふれ、その地域の人々と共に何かを生み出すこと。そこには好奇心を満たしてくれる体験があふれています。

地域で頑張るプレイヤーの、一風変わったコンテンツの数々。
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