REPORT
2024/05/10

1泊2日で飯田の放置竹林と向き合う

日 程
2023.08.05-2023.08.06
場 所
長野県飯田市
主 催
南信州観光公社(運営:いなだに竹Links)

「放置竹林」聞きなじみのない言葉に誘われて、1泊2日の体験型イベントに参加しました。

今回の舞台は、長野県飯田市。
だれかが竹林を整備しなければならない。
大自然に囲まれた天竜川の河畔で行う「竹網バーベキュー」などを通し、それを楽しく学ぶ1泊2日のイベントです。

里山に着くと、廃墟の屋根を突き破り伸びる竹が印象的でした。
竹は強い。実際に目にして衝撃を受けました。
曽根原さんはじめ、「いなだに竹Links」のみなさまの指導のもと、竹を切っていきます。
これが実に大変で、奥が深いのです。

案内人:いなだに竹Links

このイベントの案内人はNPO法人「いなだに竹Links」の代表を務める曽根原さんをはじめとした皆様。「放置竹林」による里山の水資源の悪化を防ぐべく、日々活動しています。

「竹は地下茎を1年に5メートルも6メートルも伸ばす。繁殖力の強い植物だでな。」
曽根原さんは、その竹の異常なまでの成長速度が里山の環境を破壊しているとおっしゃります。
だれも管理しなくなった里山に竹が生えると、数年の間にその里山を覆い尽くすのが現実です。
日当たりが悪くなった地には、新たな植物の芽がでないだけでなく、整備されていないという理由で、ゴミを放置されるケースもあります。そのために生態系が崩れ、水が浄化されなくなり、我々の生活にも影響が及びます。

1日目:竹林伐採・竹灯籠作り

ここでは竹の伐採を自らの手で行います。若くて細い竹でも力が要ることを体感しました。
竹林整備の一端を担いながら、明日の竹網バーベキューに備え、必要な竹を調達します。

1日では到底きれいにできそうにありません。
数年後、この地がどのように生まれ変わるのか、また訪れたい。そう思いました。

竹林から戻り、夕刻には竹灯籠を作ることもできました。

気づけば無心に完成を想像し、竹に穴を開けていきます。
ホテルに戻り、暗闇の中で明かりを灯すと、竹から漏れるその優しい光にとても温かな気持ちに包まれました。

2日目:竹食器作り・竹編みバーベキュー

早朝から地元の農家さんの畑にお伺いし、バーベキュー用の野菜を収穫させていただきます。

無農薬で育てる野菜は、お子さんも安心して食べられます。
とても鮮やかで新鮮なもぎたてのトマトをその場でひとくち。みずみずしくて甘い!

野菜を収穫した後は、前日に切り出した竹から、バーベキューでつかう「竹食器」を自分たちで作りました。

コップにお皿、お箸に網、更には飯ごうまでとバーベキューにつかうものはすべて自分たちで作ります。皆、バーベキューを楽しみに必死で竹と向き合います。

いよいよ竹炭に火をつけます。
そこから先は幸せが広がっていました。

実は竹には多くの栄養素が含まれており、それが旨味、風味となりお肉やお米を優しく包み込みます。今まで経験したことのあるバーベキューとは別格で、絶品です。

楽しいひとときは一瞬で過ぎ去り、使い終えた食器や網はすべて燃やし、炭となります。
そしてその炭は肥料となり、自然に戻っていきます。まさに自然に優しい循環ではないでしょうか。

今回は参加者9名を飯田市の方々、いなだに竹Linksの皆様が温かく迎えてくださりました。
各地で問題となっている「放置竹林」。
まだその一端ではありますが、楽しくおいしくその問題を解決できるこのイベントは、非常に良い時間でした。
我々の生活を支えてくれる方々がそこにはいました。

conomichiでは

【conomichi(コノミチ)】は、「co(「共に」を意味する接頭辞)」と「michi(未知・道)」を組み合わせた造語です。

訪れる人と地域が未知なる道を一緒に歩んで元気になっていく、「この道」の先の未知なる価値を共に創り地域に新たな人や想いを運ぶ、そんな姿から名付けました。

今まで知らなかった場所へ出かけて、その地域の風土や歴史・文化にふれ、その地域の人々と共に何かを生み出すこと。そこには好奇心を満たしてくれる体験があふれています。

地域で頑張るプレイヤーの、一風変わったコンテンツの数々。
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