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- 1984年、当時、国鉄(現JR)職員だった著者は国連のESCAP(アジア太平洋経済社会委員会)の「運輸部鉄道課」に、アジア鉄道近代化計画の鉄道課長として派遣される。国連といってもニューヨークの国連本部ではなく、場所はバンコク。
ESCAPの運輸部鉄道課にはソ連、フランス、西ドイツ、オーストリアなど、世界各国から派遣された一癖ありそうな専門家たちがいた。トラブルメーカーとして有名なユダヤ人・ベンダさん、ソビエト軍情報部の将校氏、「外交特権のベンツ」でせっせと利殖に励む国連職員・・・・・・。
若くして長逝したJICAのM君とともに、さまざまな事件に遭遇し、困惑し、苦笑し、ときに憤りながら、《アジア鉄道近代化プロジェクト》のために獅子奮迅する日々をユーモラスに活写する。
【著者プロフィール】
田中 宏昌(たなか ひろまさ)
鉄道エンジニア、工学博士。1939年、広島県呉市生まれ。63年、東京大学工学部卒業。同年、日本国有鉄道に入社。東京第一工事局次長、構造物設計事務所次長を経て84年、国連ESCAP運輸通信観光部鉄道課長。90年に帰国後、東海旅客鉄道に入社。取締役関連事業本部長、専務取締役新幹線鉄道事業本部長、代表取締役副社長を歴任。2002年より顧問として台湾高速鉄道プロジェクト技術指導。2010年より非常勤顧問。
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