HC85系ナノミュージアム伝統工芸品特集
HC85系は、特急「ひだ」「南紀」用として、2022年7月より営業運転を開始した特急車両です。 車内設備には、沿線の伝統や文化を車内でお楽しみいただけるよう伝統工芸品を鑑賞できる「ナノミュージアム」をデッキに新設しました。 本ページでは、「HC85系」の「ナノミュージアム」に展示されている伝統工芸品を特集いたしました。
美濃エリア
岐阜団扇
漆(現在はカシュウ)を塗って仕上げる「塗うちわ」、柿渋を塗って仕上げる「渋うちわ」、雁皮紙という薄い和紙を用いた「水うちわ」の3種類があります。鉄道とも関連があり、1950年には岐阜駅ホームで、うちわ娘による立ち売りが行われました。 展示している住井冨次郎商店のうちわは岐阜で残る唯一の岐阜うちわ専業店で、現在でも明治時代の問屋町の面影が残る川原町界隈で生産を行っています。とても趣のある場所と建物ですので、ぜひ訪れてみてください。
美濃和紙
和紙というのは主に「楮(コウゾ)」「三椏(ミツマタ)」「雁皮(ガンピ)」という木の皮の繊維を材料にして作る紙のことで、「楮」には高級な障子紙などによく使われ、「三椏」はお札などに使われています。最近では「東京オリンピック」の賞状にも使われています!
飛騨エリア
飛騨一位一刀彫
また、良質な素材を選び木目の流れ、赤太(あかた)、白太(しらた)といった木の色合いを巧みに利用し、木目が美しく、時を経るにしたがって艶のある茶褐色に変化していくのが特徴です。 今日ご乗車頂いてご覧になっている色艶と次回ご乗車頂く時は、違う雰囲気になっているかも?
飛騨春慶
飛騨春慶を印象付ける透きとおった深い色合いを出している透漆は、 塗師(ぬし)それぞれが独自の製法で作っており、塗師によって微妙に色調が異なっています。 商品を見られる際は、塗師の名前も確認してみてください!
三重エリア
伊勢形紙
縞彫り、突彫り、道具彫り、錐彫りと4種類の彫り方があり、彫り師により得意な彫り方が異なります。1983年に通商産業大臣の伝統的工芸品に指定されました。現代では着物の需要が減り、また新しい技術を用いて染色するために、型紙の需要が減っています。そのため型紙業者も減っていっています。新しい活用法として、照明器具や建築用具などへの応用を行っており、車内でも伊勢型紙を使ったフロアライトを展示しております。