#51

たくさんの笑顔が生まれる、「日本酒のテーマパーク」

平岡 誠治さん 舩坂酒造店 杜氏

およそ200年に渡り、高山市で良質な日本酒をつくり続けてきた「舩坂酒造店」。杜氏(とうじ)である平岡さんは、先人たちの醸造技術を受け継ぎながら“本当にうまい地酒”をめざしています。

  • Q.
    幼い頃から、地元で暮らしているのですか?
    A.
    高山市岩井町で代々農業を営んでいる、平岡家の長男として生まれました。

  • Q.
    地元の雰囲気はいかがですか?
    A.
    私が生まれ育った地域は農業が盛んで、隣近所の方と支えあいながら生活を送っています。夏はほうれん草を栽培し収穫の際どうしても人手が足りない時は、近隣の方などから出荷作業のお手伝いをいただいております。人との“ふれあい”や、“人と人をつなぐ助け合いの輪”に感謝しながら生活を営んでいるのです。

  • Q.
    平岡さんのお気に入りはなんでしょうか?
    A.
    私のお気に入りの場所は「舩坂酒造店」です。約25年前から「舩坂酒造店」の杜氏を務め、 2022年で勤続40年目を迎えました。毎年、雪の降る季節になると妻に家を託し、自分は酒蔵で寝泊まりしながら酒造りに勤しみます。農家さんが丹精込めて育てたお米が、微生物の力を借りて徐々に日本酒へと変わっていく様子に、酒造りへのロマンを感じます。

  • Q.
    「舩坂酒造店」で働くことになった、きっかけは?
    A.
    私の住んでいる地域は、冬になると雪のために農業をお休みする“農閑期”を迎えます。その昔、多くの農家は冬季の仕事として近隣のスキー場などに仕事を求めたりしていました。私も例外ではなく、職を探していたところ運よく「舩坂酒造店」が従業員を募集していましたので応募しました。短期の仕事で続くか不安でしたが、実際は先代の杜氏さんの下で醸造作業に1年、2年と従事してゆくと、不思議に酒造りに興味が湧いてきました。今は妻といる時間より、蔵で酵母菌と一緒に過ごす時間の方が人生で長いのではないかと思うくらいです。大好きな仕事となりました。

  • Q.
    どこに惹かれますか?
    A.
    来店されるお客様が、私の醸造したお酒で笑顔になっていただけることが、とても嬉しいです。従来通り日本酒を楽しむスタイルの“枡酒”を提供するほか、新しいスタイルとして“日本酒コインサーバー”を導入しました。専用のコインを購入し、1コインで1銘柄を選ぶという仕組みです。この日本酒コインサーバーを通じて、今まで以上にたくさんのお客様が私の造ったお酒で笑顔になる場面と出会えました。たとえば数十年ぶりに来店された老夫婦が昔の想い出を肴に飲んでいたり、若者や家族連れのお客様が、自分に合った日本酒をあれこれ探す姿などを見かけました。一滴一滴のお酒で笑顔になり、その一滴が人と人をつないでいる。造り手冥利に尽きます。

  • Q.
    うれしい光景ですね。
    A.
    はい、嬉しいですね。この様な嬉しいときは、自分へのご褒美として出かける場所があります。“本郷”というおしゃれな飲食店なのですが、オーナーさんは利き酒師の資格をお持ちであったり、また本郷の社員さんが醸造体験にお越しいただいたりと、日本酒に興味を持っていただいているお店です。お店の人と今季の醸造の具合や出来栄えのことを話したり、お酒を提供する側からの視点でお話を聞くことが出来たりと、明日からの仕事への活力が得られる飲食店さんです。

  • Q.
    HC85系のデビューをきっかけに、地元がどう変わればいいと思いますか?
    A.
    日本酒もそうですが列車も“人と人とをつなぐ潤滑油”の様な役割で笑顔あふれる高山市になれたらと期待しています。

    ※2023年2月時の情報です。

PICK UP

舩坂酒造店

城下町の風情漂う「古い町並」に佇む造り酒屋。
美しい自然から生み出された湧水と良質な酒造米を用いて、代々続く伝統の技術で醸しだした日本酒を造りあげています。

※撮影時のみマスクを外しています